山茶始開 (つばきはじめてひらく)
こんにちは、スタッフの志村です。
日本には七十二候(しちじゅうにこう)という72の季節があることをご存知でしょうか。
四季折々の変化や気象の動き、さらには動植物の変化などが72の時候の名前になっており、約5日ごとの自然の変化を知ることで、きめ細かな季節の移り変わりを感じることができます。
今回のテーマである「山茶始開 (つばきはじめてひらく)」。11月8日~12日頃は七十二候が立冬の初候に変わり、山茶花 (さざんか) の花が咲き始める頃をお知らせしています。この山茶(つばき)とは、椿のことではなく、同じツバキ科の山茶花(さざんか)のことをさしています。さざんかを見かけたら、冬が始まりを感じることができますね。
事務所がある飛騨高山は日本列島のほぼ中央に位置し、美しい自然と四季おりおりの変化に恵まれた山岳都市です。また高山では飛騨の特産品や旬の物などが並ぶ「宮川朝市」と「陣屋前朝市」があり、様々な形で四季の変化を身近に楽しめる素敵な場所です。色々な情報もおりまぜて、これから飛騨高山の発信もできたらと思います。
11月に入り飛騨高山周辺は紅葉シーズンで自然の色彩が美しい時期でもあります。今回は高山にあります飛騨国分寺をご紹介したいと思います。
国指定天然記念物、樹齢1250年以上といわれる大イチョウ
境内に入ると目の前に大きな大イチョウがあります。
樹齢推定1250年以上の雄木で、ギンナンの実はできません。昔から、国分寺のイチョウの葉が落ちれば雪が降るとも言い伝えられています。
大きく立派にそびえ立つこの大イチョウには、悲しい物語が残されています。
昔、国分寺塔跡に七重塔が建てられた時のことです。建設の際、大工の棟梁が柱を間違って短く切ってしまったその時、棟梁の一人娘である八重菊が、柱の上に枡組を作って補うよう教えました。塔は立派に完成し、その出来ばえが評判となるなか、大工としての名誉を守るため、父が八重菊を殺そうとします。ですが八重菊は、父のために自ら命を絶つのです。 そして八重菊の塚の上に一本のイチョウを植えられたのが、国分寺の大イチョウだといわれています。根元に石の親子地蔵がまつられ、乳の出ない婦人が願かけをすることから、「乳イチョウ」とも呼ばれています。
大イチョウの紅葉見ごろは例年11月中旬。国分寺のイチョウはだいたい立冬前後から黄葉に色付きはじめ、小雪をむかえる頃に落葉すると言われています。
今年は11月に入っても暖かい日が続いていますが、急に寒くなる日もあったり天候の変化を多く感じます。事務所からも国分寺の大イチョウがみられる場所があり、最近は毎朝覗いては変化を楽しんでいます。高山にお越しの際にはぜひ足を運んで見てください。